古くから、口に出せない思いをこの花の名に重ねて、多く歌に歌われてきたくちなしの花。染め出される赤みを帯びた鮮やかな黄色は「言わぬ色」ともよばれます。六月の湿った薄月夜、つっぷりと浮き立つ白い花弁と、甘く漂う馥郁たる香り。...