與謝野晶子「室内の花」

女が自我を持つことを罪悪とされた時代に、妻子ある鉄幹を全身で愛し嫉妬し導かれながら、女性の官能を華麗に歌った与謝野晶子。その狂おしくもたおやかな詩歌は、閉塞した当時の世間をおおいに驚愕させました。
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晶子には恋愛や反戦のほかに、花を詠んだ作品も数多くあり、生涯鉄幹だけを一途に寄り添ったように、花にも純心を貫いたと映ります。常ではなく心の片隅にありながら、晶子に寄せる憧憬は溢れ出すもやみません。今日もいちりんあなたにどうぞ。
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花を活ける人は花を愛せよ、愛する花を活けよ。愛には法もは型も無い。唯だ眞實と誠意と熱情とがあるばかり。- 『室内の花』与謝野晶子
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ユリ白 花言葉「尊厳」