日本の植物学者として名誉を築いた牧野富太郎。数多くの標本や観察記録を残し、のちに『牧野日本植物図鑑』に代表される、多数の著作も世に送り出した、植物に関わる者にとっては知らずにはいられぬ、偉大なる父なる存在、「日本の植物学の父」ともいわれ、多数の新種を発見し命名も行った、近代植物分類学の権威として今にも知られます。
そんな富太郎さんの著作には自叙伝もあり、そのなかで彼が繰り返し語っていることがあります。
「自分はほんとに植物が大好きで、研究することが楽しくて、寝る時間が惜しい。」
「草木に愛を持つことによって人間愛を養うことができる。思いやりの心、私はわが愛する草木でこれを培い、その栄枯盛衰を観て人生なるものをも解し得た。」
平たく評してしまうと、単にあまりにフェチすぎるとも、今でいうなら単なるオタク的に捉えたくなるもありますが、けれどこれに触れ抱くのは、ひと摘みでいいから、私もその境地を垣間見たい、という思いばかり。
好きで、好きで、大好きで。個から発する熱意がもたらす熱狂。程度の差さえあれ、私たちは植物を愛してる。これこそが、私たち花人の本心、熱狂の源ではないかしら。無邪気に発信を、それを待ってる人がいる。伝えていきましょう。今日もいちりんあなたにどうぞ。
キキョウ 花言葉「誠実」