静の苧環

いにしへの しづのをだまき 繰りかへし 昔を今に なすよしもがな~伊勢物語にあるこの節は、男目線で歌われたもの。「むかし織物をつむいだ苧環(糸の玉)から糸を繰りだしたように、あの人との楽しかった昔が、今また繰り返されたらいいのに」と訳されています。
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この歌を本歌にしたとする、義経を恋い慕った静御前の歌がよく知られていますね。苧環をうたった短歌はほかにもあるようですが、やはりこの歌。「静よ静よと、繰り返し私の名を呼んでくださったあの昔のように、貴方と過ごしたときめく時を、今にまたしたい」今日もいちりんあなたにどうぞ。
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しづやしづ しづのをだまき 繰りかへし
昔を今に なすよしもがな 静御前
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オダマキ 花言葉「あの人が気がかり」