曼珠沙華

暑くても寒くても、この時期になると必ず咲く曼珠沙華。花が咲くときに葉がないことから「はみずはなみず」とも呼ばれます。地方によっても呼び名は変わり、いちしばな、いっしせん、幽霊花など、実に400以上もの異名をもつのだそう。
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誰もが知っている花のひとつであり、近代では俳句にも読まれ、日本人とは古くからかかわりの深い花ですが、江戸以前の古典には、登場することは多くありませんでした。妖艶な花姿と色、そして有毒であったが故に、そんなにも万人に嫌われたものでしょうか。
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けれど新しい時代、ねがわくば迷信からも解き放たれ、美しいものは美しいと、こうして、確かにめぐり来る四季のありがたみ、花の良さを、噛みしめ味わいたいもの。秋を知らせる曼珠沙華。視界一面にひろがるこの花を、いつかあなたと見てみたい。今日もいちりんあなたにどうぞ。
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まんじゆさげ 月なき夜も蘂ひろぐ 桂 信子
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マンジュシャゲ 花言葉「思うはあなた一人」