立春

立春を迎えました。今日は朝からおあつらえむきに春の光が降り注いでいます。また時々には思い出したように雪が降るかもしれないけれど、これから少しずつ、硬く閉じていた花の蕾もいつとなくほぐれてゆく、いよいよに春をあけてゆく、そんな兆しを思えば、植物たちの密かな様子を感じるのも、この季ならではの愉しみです。
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古今集に、水の様子に四季の移り変わりを見て詠んだ、紀貫之ならではの巧みな一首があります。心を惹かれて見たものは、季節が移っても、何年たっても忘れないものですね。今年もようこそ春へ。今日もいちりんあなたにどうぞ。
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袖ひちて むすびし水の こほれるを 春立つけふの 風やとくらむ ((夏の日に)袖を濡らしてすくった水が(冬には)凍っていたのを立春の今日の風が吹き溶かしているのだろうか)『古今和歌集 春一・春立ちける日よめる』 紀貫之
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ラナンキュラス 黄色 花言葉 「優しい心づかい」