年末雑感

12月ももう数え日。ものの終わりには、ぱちんと線をひいたり鮮やかに飾って決まりをつけたい、そんな心になるのも人情でありましょう。ひとつひとつ片づけ見送って、ふと佇むような感もあり、とにかくみんな果たして早くほっとしたい気持ちもあり。古今和歌集の中に「年末とはなんだか鏡の中の自分の姿さえ暮れてゆく気がするから、往く年が惜しい」という歌があります。終わること仕舞うことに名残惜しさはあるものの、でもそんな別れ際に心は磨かれるような気がするし、これが12月の季感というものであろう、そんなことを思います。新年もこうして皆さまとご一緒できますように。よい年をお迎えくださいね。感謝を込めて。今日もいちりんあなたにどうぞ。

ゆく年の惜しくもあるかな ます鏡みる影さへにくれぬと思へば 紀貫之

サザンカ 花言葉「ひたむきさ」