11月の終わりに

伝えたいことがあります。四つの季節にはそれぞれの美しさがあること。当季の花には輝くばかりの美しさがあり、おしまいの花にも、その花らしい余情があること。孤独を紛らわす花があること。色には言葉では表せない気持ちを伝達する無二...

寛容

寛容。心を広くもち人を受けいれること。過失をとがめだてせずに人を許すこと。我慢のあとの安らぎ、悲しみのあとの優しさ。憎悪のあとの責め、嫉妬のあとの虚しさ。人間はみな、身近な関係から違いを認めあっていくものですが、それはこ...

山茶花

群がって咲くのにお喋りをしない花、とは誰が言ったのだったかしら。山茶花。椿とよく似た花ですが、これら花の終いに違いがあり、椿はほとりと真っすぐに墜ちますけれど、この花ははらっと零れます。椿ほど敬虔とはいえぬし、どちらかと...

立春

立春の声をきいたと思えば、東京は倫敦のように薄墨流したみたいな曇り空。昨日までの陽気に、春への期待を高めてみたけれど、そこはまだ2月。一年中でいちばん寒くて冷たいこの月は、大切な音・声が冴えて聴こえる月とも。耳をすませば...