小説に於いては、無闇に字面を飾り、ことさらに漢字を避けたり、不要の風景の描写をしたり、みだりに花の名を記したりする事は厳に慎しみ、ただ実直に、印象の正確を期する事一つに努力してみて下さい。-太宰治『風の便り』 これを読ん...

北原白秋の歌集『桐の花』にある一歌です。当時20代後半だった白秋は、隣人の人妻と不倫関係になりました。スキャンダラスに報じられた人気作家は、その恋に落ちるとともに名声も地に堕とし、遂には姦通罪で訴えられるまでとなります。...

毎年7月9日・10日は「四万六千日」というご縁日です。これは東京浅草にある浅草寺の縁日がはじまりで、この日に観世音菩薩の功徳に感謝してお参りすると、46,000日分の功徳があるとされることから「四万六千日」と呼ばれます。...

毎朝出会うたびこの白に、はっとさせられる夏椿。朝に開花したのち夕方には、落花してしまう一日花だといわれます。仏教の聖樹「沙羅双樹」に模され「娑羅の木」とも呼ばれるこの花。おなじ椿でも、冬の椿が正絹なら、夏の椿は麻とでもい...

「雲は私の母です。風は父。川は娘。私が居ないと人間は私を探しますが、ながく側にいると私は皆から嫌われます。」 「私が泣くと皆喜ぶのに、私が喜び泣かないと、私の喜びは皆を悲しませてしまいます。」 探されたり嫌われたり、喜ば...

一蓮托生(いちれんたくしょう)とは、結果のよしあしに関わらず行動や運命を共にすること。よい行いをした者は、ともに極楽浄土で同じ蓮花の上に身を托し、生まれ変わることができる。そんな仏典から出た言葉です。お互いの夢や目標が近...

七月七日に降る雨を催涙雨(さいるいう)といいます。この日に雨が降ると天の川が荒れてしまい、織姫星と彦星の逢瀬が叶わなくなってしまう。故にそれを悲しむ二人の涙ともいわれる雨です。他方では、この日にやっと逢えた二人が、今日を...

自分で決めたことは、それがどんなことであっても、あなたを幸せにする、本当に。だから大切にしてくださいね、素敵な個性です。今日もいちりんあなたにどうぞ。あなたが今、夢中になっているものを大切にしなさい。それはあなたが真に求...

七月二日は「半夏生」。これは「半夏」と呼ばれる毒草が生える日という意味で、昔はその毒気が空気中に立ちこめるからと、畑の作物をとって食べたり、井戸に蓋をする習慣がありました。この「半夏」の正式名称はカラスビシャクという、な...

日本の植物学者として名誉を築いた牧野富太郎。数多くの標本や観察記録を残し、のちに『牧野日本植物図鑑』に代表される、多数の著作も世に送り出した、植物に関わる者にとっては知らずにはいられぬ、偉大なる父なる存在、「日本の植物学...

木槿。花言葉は「ゆかしさ」。ゆかしいには「心が惹かれる」「好奇心がそそられる」という意味があります。そんな季節の由に任せて、ゆかしい花を追いかけてたら、いつの間にやらひと月が終わってました。それどころか気がつけば、半年が...

この世で経験することは、なに一つ空しいものはない、歓びも悲しみも、みんな我々によく生きることを教えてくれる。-山本周五郎長らく一緒に働いた仲間たちが、この月末にて卒業を迎えました。楽しかった日々への慕情とこの寂しさのほか...