しずかなる朝(あした)の雨の梅雨入(ついり)かな -大竹龍ようやく東京も梅雨に入りました。入るなり、明日には明けろと願うのか梅雨の鬱蒼。もとい梅雨入りは「入梅」とも書きますが、それは「ついり」とも発します。その雨は「栗花...

住する所なきを、まず花と知るべし停滞することなく変化することこそが、芸術の中心である。世阿弥の残した言葉です。『風姿花伝』で知られる能の大成者、世阿弥の記した言葉からは、自らの芸と人の世に対しての鋭い洞察が見てとれます。...

日本は「思い出す」ことを尊ぶ、独自の文化を持っています。花の季節になればその花を思い出し、匂いを嗅いではいつかの誰かを思い出す。色をみても味わっても、懐かしくありがたく思いを馳せる、それが日本人の感性です。そんな心に育ま...

庭に花や木を植えることは、明日を信じること。-オードリー・ヘプバーンTo plant a garden is to believe in tomorrow.ほんとそうね。だから花を苗を、小さくも、庭がなくても植えたくなる...

平和の象徴として、また祈りの糧として、古くより人に求められてきたオリーブ。知られるところ、国連旗にも描かれいるそれであり、アテネオリンピックでは、世界平和のシンボルにもなった植物です。そして枝は、旧知から平和の象徴とされ...

古くから、口に出せない思いをこの花の名に重ねて、多く歌に歌われてきたくちなしの花。染め出される赤みを帯びた鮮やかな黄色は「言わぬ色」ともよばれます。六月の湿った薄月夜、つっぷりと浮き立つ白い花弁と、甘く漂う馥郁たる香り。...

今日は自分にとってのSNSを考える時間をもちました。その上で、ひとつ気づいたことがありました。まず私にとって「美しいかどうか」は、自分にとって相当重要視している価値基準だということ。またそこには、自分が「美しい」と感じる...

写真は写真を見るだけで、自分もそこにいるような気分になれる。映画は映画の中に、揺れる人間の姿を見て、そんな生き方もあると想像することができる。では言葉は。言葉はそれで、100%の真実を伝えることはできません。けれども言葉...

歴史とは「人間の心」の記録であり「出来事」の記録ではない。小林秀雄は言いました。人間がどのように考え経験をしてきたか、それを言葉に記すことで、わたし達は歴史を創り残すのだと氏はいいます。今にしてこのように、人生100年を...

アガサ・クリスティ「春にして君を離れ」。今朝何げに読み始めて、面白さに誘われるまま、一日読みふけり先程読了。タイトルはシェイクスピアのソネットを由来にしたそうで、作品の中には同じくソネット18番の冒頭が引用されています。...

わからぬは夏の日和と人心。変わりやすい夏の天気のように、人の心も変わりやすく解らないものだ、という故事ですが、似たような言葉に「男心と秋の空」があります。これも秋の空のように男の愛情は変わりやすいものだ、という喩えです。...

孤独な薔薇がありました。ある日のこと、美しい少女がいちりんのバラを髪に飾ると、人々はなんて美しい花と見惚れ、以来、バラは皆に愛される花となりました。ところがバラ自身は、この人々が寄せる注目が、自分の魅力でもなければ、決し...