虞美人草

歌から知る花の名前もあれば、小説から知る花の名前も多くあります。虞美人草(ぐびじんそう)もその一つ。夏目漱石の作品に同名の小説があり、それがヒナゲシに同じと知ったのは後のことです。漱石はじめての職業小説だったこの作品、連載前の予告文では『花の名を拝借して巻頭に冠らす事にした。(中略)余の小説がこの花と同じ趣をそなうるかは、作り上げて見なければ余といえども判じがたい』と記しています。ともあれば、なんでも触れてみたく読みはじめ、こうしてまた一作また一冊と、傍らに鞄の中に枕の元に積まれていくのであります。しかし遅読。読了するのはいつになるやら。今日もいちりんあなたにどうぞ。

進行しなければやり直すだけだ。君のように余計な事を考えてるうちには何遍でもやり直しが出来るよ 『虞美人草』夏目漱石

グビジンソウ 花言葉「休息」