忘れる

なんでこうも、あれだけ気にかけていたことを忘れるかと、自分に対しての呆れと諦めがやまないこの頃に、随筆家の白洲正子のエピソードを思い出す。生涯多くの記述を残した白洲正子ですが、それら随筆の中で、あれほど意気盛んに事ごとへの執着を覗かせながら、実のところは取材を終えるたび、見聞きしたそれらをみな忘れてしまうのだという。故に、いつ何に出会っても、新鮮さを感じられ、無邪気な好奇心でまた、向き合うことができるから都合よい、と。いまや嘘か真か知る由もないけれど、この話を思い出しては、自分の物忘れを物書きの達人になぞらえたりし、それもどうかしていますけれど、自分も、無邪気に思い出すのは、おきた楽しいことばかりで。楽しいばかりではなかったのに、なぞらえることは、やはり楽しかったことばかりで、都合よく。今日もいちりんあなたにどうぞ。

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どんなに暗くても、星は輝く。

When it is dark enough,you can see the stars.

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アストランティア 花言葉 「星に願いを」